島根県議会議員 池田はじめ

夢ある郷土づくり

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デトロイト市財政破綻のニュースを聞いて。

7月20日(日)
毎日朝早くからNHKBSのワールドWaveを見ていますが、今朝のデトロイト市財政破綻のニュースはショッキングでした。
一歩中心市街地を離れると全くのゴーストタウン。200万人以上もいた人口も、今や70万人。警察官や消防士も足りず、治安維持もままならない現状が映し出されました。

アメリカの悩める現状です。

今、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ博士の著書「世界の99%を貧困にする経済」を読んでいます。
まだ途中ですが、アメリカの富の分配の不合理さをこれでもかと露わにしています。アメリカ社会の高水準の不平等は政治によるものであり、それは「レントシーキング」に支配された市場によるものだとしています。
つまり企業に都合の良い「行きすぎた」政策の推進です。
もちろん、雇用や産業を守るためには、必要な支援、法律が必要です。アメリカはそれをやりすぎたということです。
現在でも世界中で同じような不幸な状況にある国々がたくさん存在します。

今回のニュースを聞いて、社会資本の重要性を再認識しました。国や地域に根ざした「社会規範」の重要性です。ブータンでは森林保護のために自家消費のために一世体当たりに伐採できる木の本数が決められていますが、どうやってこの法律を厳守させるか。それは社会資本のおかげです。「木は大切だから守らなくてはならない」ということが、国民的知識としてあるのです。また、灌漑用水に頼るしかないバリ島では、協働によって水を管理することで人々の結束が強く、社会資本に対する感覚も強くなっています。
みんなでお互いにルールを守る社会を築いているのです。

アメリカのデトロイトはどうか。
インタビューで市民が「怖くて郊外には行けない。」と嘆いていました。
社会資本が育っていない社会、秩序がなく自分のことしか考えない社会。破綻したのは財政ばかりではありません。
立て直すにはかなりの時間がかかると思います。

日本は違います。
あの東日本大震災でも、被災された方々の整然とした行動は全世界から賞賛を浴びました。
地域の「絆」、人々の助け合いといった「社会資本」がしっかり生きている。残っている。
それをどうやって将来に残していくか、我々に課せられた使命だと思っています。

グローバル社会が進み、世界中との繋がりがますます増えてきました。TPPなどの外交交渉の先行きも懸念されますが、日本が長年培ったこの貴重な「社会資本」をいかに育み、残していくか。政治の大きな仕事だと思います。
社会資本はお金では買えません。これを守り、健全な日本を継承していかないと。
今朝のニュースはそれを考えさせられました。

本もあと残り半分。今日中に読み終えて、書かれている内容を心に刻みたいと思います。

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