日本の農業輸出が昨年一兆円を超え、政府はもっと輸出をと叫んでいますが、日本はしっかり足元を見て、食糧安全保障に舵を切っていかなくてはならないと思います。日本は小麦も大豆も9割を輸入で賄っている食糧輸入大国です。人間だけではなく、動物のえさに至るまで輸入に頼っている訳ですが、その小麦も大豆も、超大国である中国の輸入の増加が止まりません。中国は20年前から食料輸入超過国となってしまいましたが、この傾向はまだまだ続くでしょう。情けないですが、中国はあれほど広い国土を持っていながら、アメリカと異なり食糧自給が全く出来ない国になってしまったのです。今の好調な経済状況が続くと、デフレの続く日本は、将来太刀打ちできなくなる可能性があります。中国に価格交渉で破れ、穀物が入ってこなくなるのです。今から30年前の平成4年の事を思い出します。米が不作だったその年、皆さんも記憶にあるでしょうが、一時的に店の商品棚から米が無くなってくなってしまいました。その時「パンやパスタがあるから大丈夫だ」とインタビューに応えていた人がいましたが、マリーアントワネットのようなこのような発言、もう出来なくなります。じゃあ小麦をたくさん作ればいいのかといえば、品質や収穫量が全く異なり、やはり日本の季節風土に合った農作物は米です。戦後アメリカの余剰穀物の処分場とされ、洗脳され続けてきた日本。小麦文化が確立され、10年前、ついに日本全国の米と麦の消費量は逆転してしまいました。今まさに消費者を巻き込んだ食糧安全保障の確立が求められる時なのではないでしょうか。作る側と消費する側の好循環の間に入って汗をかくのが我々の役目であると思います。県で出来る仕事をしっかりやっていきたいと思います。