農林水産省が19日、2022年産の主食用米の需要に見合った適正生産量を675万トンに設定しました。これは2021年産米(作況指数100%)の場合より21万トン少ない量であり、面積ベースで3%、4万ヘクタール減が必要な水準です。米価が大きく下がってしまった本年。来年以降の農業にどのような影響を与えるのか、全く先が見えない状況です。日本は輸入制限品目を維持しながら戦後の食糧難の時代を経て食糧自給率を80%近くまで伸ばしてきましたが、1980年代より貿易自由化が強要され、輸入制限品目を徐々に減少、結果食料自給率はみるみる減少し、現在に至っています。アメリカによる市場開放強要による結果です。食べ物の無かった終戦直後、アメリカからの食糧援助はありがたかった。しかしアメリカは日本をマーケットとしてみていました。有り余る生産量を誇る小麦は食料、トウモロコシを肥料として大量に送り込んできたのです。更に昭和30年代には「コメを食べると頭が悪くなる」と宣伝しなはら小麦を原料とした食品を普及するキッチンカーまで全国に走らせ、普及を図ったのです。結果小麦の消費量は日本において10年前から米を上回る状況になっていますが、国内の小麦自給率はたった10%しかありません。なぜこのようなことになってしまったのか。それは計画されたアメリカの圧力です。そしてグローバル化の進展とTPPの推進により、貿易の自由化は行きつくところまで行きついてしまっているのです。今後世界的な人口増が見込まれています。2050年には現在より約20%、20億人増の97億人に人口が膨れ上がります。世界の食糧事情、日本の食糧安保を守るためにも、現在の農地をしっかり保全しておかなければなりません。今こそ将来を見据えた戦略的な農地保全を行い、自給率確保に向かう姿勢と取り組みが必要です。私は島根からコツコツと真剣に取り組んでいきたいと思います。